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まずは用品選びです。キャンプ用品選びはとても楽しいものです。キャンプに行くよりもこちらの方が楽しいとおっしゃる方もいらっしゃいます。 オートキャンプで使用する道具は、大物さえそろえてしまえばあとはたいてい家庭用品が流用できます。キャンプ用の物は軽量コンパクトに作られているため使いにくい物も少なくありません。無理にキャンプ用品でそろえる必要はないともいます。 |
テント テントにはドーム型とロッジ型があります。同じ設営面積の物の場合、ドーム型は軽量で持ち運びが楽です。ロッジ型はしっかりしておりその分重量があります。 よく、ロッジ型は居住性が良く、ドーム型は設営が簡単と言われますが、実際には、そうとは言い切れません。 基本的に大きなテントはそれなりに設営が大変です。また、ドームテントの場合は、ポールにテンションをかける構造になっている物が多く、大型になると極端に設営が難しくなります。逆に、ロッジテントの場合には設営の難易度は大きさにはさほど影響されません。従って、あまり大きくないテントの場合には、ドームテントの方が楽ですが、ある程度以上の大きさになるとロッジテントの方が楽になります。 居住性についても同様で大きさに比例します。ドームテントにしてもロッジテントにしても、タープやスクリーンテントを併用する場合が多いので、寝室のみを比較してみますと、同じ大きさのテント場合、ロッジテントの寝室は内部の約60%位になる物が多く、内部のほぼすべてが寝室となるドームテントの方が圧倒的に寝室の居住性は良いです。 ただし、ドームテントの場合、リビングスペースをテント外に必ず作る必要がありますが、ロッジテントの場合には、インナーテントをたたんでしまえば、テント内がリビングになります。ロッジテント内に石油ストーブや薪ストーブなどを置いてやると、冬場など寒い時期でも快適にキャンプすることが出来ます。 おすすめ 最初は大型ドームテントの方が良いと思いますが、あまり大型のものにすると設営が極端に大変になります。スクリーンテントを併用するのであれば、テントは寝室と割り切って、そこそこの広さのものの方が使い勝手がよいと思います。 チェックポイント 購入時、底面が工事用のブルーシートと同じ材質のものや、底面の縁の立ち上がりが極端に低いものは避けてください。 アドバイス 付属品ですが、あまり細いロープや?型のペグは、すぐに駄目になってしまいます。市販の物に交換してしまいましょう。また、付属のハンマーもあまり使い勝手が良くありません。500g以上のハンマーを用意するとペグ打ちがとても楽になります。 |
タープ タープにはその形状によって、四角、ヘキサ(6角)、ウィング等があります。また、スクリーンテントもここではタープの一種として扱います。 ウィングタープは見た目はおしゃれですが、設営面積に対して使える面積が極端に狭くなってしまい、あまり居住性が良くありません。ただ、両脇が低い位置まで来ていますので、風よけにしたり、他人の目を避けるのには向いています。 四角とヘキサは、張り方に自由度がありますので、天候にあわせて変幻自在に使えます。 スクリーンテントには、タープにスクリーンをつけたものと、ロッジテントのアウターをスクリーンにしたもの、ドームテントのフライをスクリーンにした物があります。 使い勝手は、それぞれタープ、ロッジテント、ドームテントと同じです。タープ型はやはり風や雨に弱いです。同じ設営面積の場合、ほぼ正方形に使えるロッジ型やタープ型の方が一回り広く感じます。 おすすめ 最近はスクリーンテントがはやりのようです。骨のしっかりしたものを選んでください。柱数本で建てるようなやつの場合、ベテランになれば別ですが、初心者が建てたものは、たいてい風や雨で簡単につぶれてしまいます。 チェックポイント タープ購入時にはグロメット(金属のワッカ)がたくさんある物を選ぶようにしてください。多すぎて困ることはありません。 スクリーンテントの場合は、スクリーンだけでなく幕が付いていて締め切ることの出来るものの方が便利だと思います。 雨って、たいていの場合斜めに降るんですよね。屋根に降った雨は当然流れ落ちてくるわけですし、濡れずに済む場所はえらく狭くなってしまいます。 四角いタープの場合、正方形の物よりも長方形の物の方が使いやすいようです。四角に張って余った分を下に引っ張ってやると、日よけ風よけや雨よけになります。 アドバイス タープ付属のポールを市販の伸縮ポールに変えると、高さを自由に調節できるようになり便利になると思います。 また、予備の伸縮ポールとブタのハナを持っていると、雨がたまるようなときにちょっと下から持ち上げて、溜まらないようにすることが出来ます。 |
ストーブ ストーブとは調理用のコンロのことです。その形状によってシングルバーナーとツーバーナー(スリーバーナー)に分類されます。また、燃料にガソリンや灯油を使用する物とガスを使用する物があり、ガスには家庭用のカセットガスとキャンプ用のガスカートリッジがあります。 ツーバーナーは、家庭のガスレンジと同じように使うことが出来ます。大火力が必要な中華料理でも作らない限りは十分な火力があります。 シングルバーナーはコンパクトで持ち運びが楽です。本格的な料理を作らないのであればこれでも十分です。ただし、サイズが小さいので、不安定となってしまい大きな鍋を使うような使い方には向きません。ご飯を炊くような場合には、吹きこぼれを気にしなくて済むのでこちらの方が便利です。 ガソリンを使う物が火力もあり燃料も安いので良いのですが、いかんせん、初心者の方には使い方が難しいようです。赤い炎をもうもうと上げて、フライパンの底を真っ黒にしながら料理している方を見かけます。 カセットコンロ用のガスを使うものは、気温が10度以下になると全く使い物になりませんので注意が必要です。 キャンプ用ガスカートリッジには種類がたくさんあり、また、互換性がありません。EPIまたはイワタニプリムス用が比較的手に入りやすいようです。ちなみにEPIとイワタニプリムスはカートリッジ接続部の形状が同じです。また、コールマンの一部のカートリッジもプリムスの物にゴムパッキンが付いているだけ形状は同じです。ただし、メーカでは他社のカートリッジの使用を保証していませんので、ご自身の責任においてご判断ください。 おすすめ 最近はガスでも十分な火力がありますので、キャンプ用のガスを使うものが使い勝手が良いと思います。ガスカートリッジの手に入りやすいメーカーの物を選んでください。 アドバイス ツーバーナーの他にシングルバーナーを一つ用意するととても便利です。 アウトドアの場合には、すぐにさめてしまいますので、出来るだけすべての料理が同時にできあがるようにしますが、ご飯を炊くと、バーナーが占領されてしまい、おかずを作るのに実に不便です。そこで、シングルバーナーを一つ用意すると、ご飯を炊きながらみそ汁と目玉焼きを作るなんでことが出来てとても便利です。 自動点火の物が多いですが、着火マンは用意して置いた方がよいでしょう。 スタンドは、アルミ製のもので、足の長さを4本別々に調整できる物が使いやすいです。スタンド代わりに、幅の狭い長めのテーブル1つ用意し調理台とすると何かと便利です。 |
ランタン アウトドアでは夜は真っ暗闇になってしまいます。従って夜を楽しく過ごすためには適度な照明が必要です。 ランタンには、ガソリン式、ガスカートリッジ式、キャンドル式、蛍光灯式などがあります。 蛍光灯式は明かりに暖かみがなく、キャンプの雰囲気作りという点からもサブとして使用される場合が多いです。ただし、ドームテント内では燃焼式の物は危険ですので蛍光灯式を使用します。 ガソリンやガス式の場合、ツーバーナーと燃料をあわせた方がよいと思います。 キャンドル式は、雰囲気を楽しむために使います。アロマキャンドルが使える物など明かりを楽しんでください。 おすすめ こちらも、ガス用の明るいランタンが出てきましたので、ガソリンでなければならない理由はなくなりました。 アドバイス 夏場など虫が多い時期にキャンプをするのであれば、ちょっと離れたところに大型ランタンを集蛾用に置き、テーブル上には小型ランタンを置くと、虫に悩まされなくて済みます。 大型ランタンには、リフレクター(反射器)をつけたると、明るくなり、他のキャンパーの迷惑にもなりにくくなります。 また、ランタンハンガーも必需品です。単に引っかけるだけではなくポールを挟み込むようになっているものよいと思います。 ここでも伸縮ポールを使います。ロープ3本で自立させれば、ランタンを吊すのにちょうど良い柱になります。また、ポールを入れる短いパイプにネイルペグが溶接されたアンカーを用意すれば、ロープを張る必要が無くとても便利です。 |
テーブル 折り畳みの物やイスとセットになっている物など様々な物が出ています。収納性の高い物はどうしても安定性が悪いようです。 おすすめ オートキャンプの場合それほど収納性にこだわる必要はないと思います。邪魔にならない程度で出来るだけ大きいものを選びましょう。真四角の物よりも長方形の物の方が融通が利くようです。 アドバイス プラスチック製で、イスとセットになっている物はかなり重く、また、意外と使いにくいです。 食卓用だけでなく調理台用にも一つあると便利です。 雰囲気物ですから、おしゃれなテーブルクロスなんか用意しましょう。大きめのテーブルクロスをかけて、テーブルの下にランタンや練炭ストーブを置いてやるだけで、けっこう暖かいこたつになります。 |
イス キャンプ中もっとも長時間お世話になるのがこれで一番重要です。ディレクターチェアやガダバウトチェア、バケットチェアなど用途によって様々です。 ディレクターチェアは座面が浅くまた背もたれも低いので、リラックスするには向きません。また、バケットタイプの物は、座面が低い物が多く、ゆっくりするには良いのですが食事がしにくいのが難点です。 おすすめ 座面が深く太股にパイプが当たらないもの、座って揺れないものを選びます。背もたれはなるだけ高いものの方が座り心地がよいです。 アドバイス 肘掛けがプラスチック製の物は要注意です。立ち上がるときにここに手をかけると以外に大きな荷重がかかり、ちゃちなものだとすぐに壊れてしまいます。 イスは人数分必要で意外にかさばります。大きすぎるものを買ってしまうと困るかもしれません。 |
シュラフ シュラフには封筒型とマミー型があります。また、中の材質や量によって様々で、用途に合わせて選ぶ必要があります。 シュラフには、通常対応温度が明記されていますので、用途に応じて選ぶ必要があります。キャンプ場は標高が高いところにある場合が多いので、明け方は冷え込むことがあります。十分に注意してください。 マミー型は襟元が閉じるようになっており、封筒型に比べると冷え込みに強いです。逆に言うとひどく冷え込むような場合でなければ、封筒型で十分と言うことです。 封筒型の場合、2つとかそれ以上をつないで使うことが出来るものもあります。小さいお子さんが一緒の場合には便利かもしれません。 おすすめ 封筒型の厚めの物が、敷き布団にも掛け布団にもなって便利です。 アドバイス 大きめの座布団カバーを買ってきてその中に畳んで詰め込むと、使わないときはクッションになります。 暖かい時期だけキャンプをする場合にはなくても平気です。タオルケットや毛布で代用した方が快適かもしれません。 |
グランドシート 厚さ1cmほどのウレタンにアルミ箔を張り付けたやつです。ちょっとかさばりますが、寝心地を良くしテントを保護する意味でもぜひとも欲しいです。テントがちょうど乗る広さ分用意します。 グランドシートはテントの下に敷きましょう。 おすすめ 一枚物は丸めて運ぶのですが意外と邪魔です。4〜6個に分割した物をつないだやつがの方が、スペースをとられないのでよいと思います。 アドバイス あんまり薄いやつはやめた方がよいと思います。また、値段が店によって雲泥の差です。それほど性能に差はないと思いますので、安いところを探してください。 建材の断熱シートで柔らかいタイプのものならば代用できます。旭化成とかの断熱材ですとものすごい断熱効果があるので、冬場のキャンプとかでヌクヌクになれます。 |
マット キャンプの楽しさは安眠できるかどうかにかかっていると思います。その点ではとても重要なアイテムです。 なかなか手に入りにくいのですが、スポンジ製の丸めることの出来るマットレスが良いともいます。ぎゅうぎゅうに絞ってやればかなり小さく収まります。 寝心地では、5cmほどのウレタンマットが一番ですがかさばるのが難点です。 サーマレストマットは、平らなところならばウレタンマット並みの寝心地ですが、価格が高いのが難点です。 エアマットはすぐに穴があいてしまうのと、通気性が悪く夏場は蒸れてしまってかなりつらいです。 |
調理器 3種類くらいの鍋がセットになっているやつがあります。一番大きいのが最低20cm以上は必要だと思います。 フライパンは家庭用の小型の物がよいです。ドライバーで簡単に柄の部分がとれるやつが収納しやすいです。 ご飯を炊くとどうしても内側が焦げ付いてしまいます。専用に丸形の飯ごう(コッヘル)か、ご飯炊き専用のアルミ製のお釜を用意した方がよいと思います。 包丁は家庭用の小型の物を、フライ返しなどはすべて家庭用の物の方が良いです。あとトングがあるとえらく便利です。 ざるが1つあるといろいろと便利です。プラスチック製の物ですと熱に弱く応用が利きにくいのでステンレス製の物を選んでください。 大きめの洗濯かごも、洗い物をしに行くときなどにとても便利です。 その他に、缶切りや栓抜き、ご飯炊き時に鍋の中に敷くアルミホイル、キッチンペーパー等が必要です。 |
食器 お椀はなんと言っても木製です。軽くて、壊れにくくて、あついものを入れても持ちやすいです。 どんぶりも木製がよいのですが、なかなか手に入りにくいのでこれは、漆塗り風のプラスチック製を使います。 お皿類は強化ガラスの食器が見た目も良いし、使い勝手も良いです。 マグカップは、ステンレス製の二重構造になったやつが、保温が効いて良いです。なるべく大きめのやつを捜しくると、オールマイティに使えます。 はし、スプーン、フォークなどは、家庭用のものを使うのがよいと思います。 |
その他 伸縮ポール 無段階に伸縮できるポールは、水のたまったタープを突き上げたり、集蛾用のランタンをたてたり、ロープを張って物干しにしたりと、ほんと便利です。2〜3本持っていたいものです。 ロープ ロープはキャンプの必需品です。 釣具店などに行くと、太めのロープが計り売りしています。これに自在を付け、2m物と4m物を4〜5本づつ、20m物を1〜2本作って持っていきたいです。 テントやタープに付属のロープはえらく細い物のことがあります。そのような場合にはすべて太いものと交換しましょう。 ペグ ペグもキャンプの必需品です。柔らかい地面の時にはプラペグ、固い地面の時にはアルミペグと使い分けます。 ?型の物がありますが、このタイプはちょっと強く打ち込むとすぐに頭の部分が曲がってしまいますので、テントやタープに付属のペグがこのタイプの場合には、すべて、まっすぐなタイプのペグに交換します。 超堅かったり石が多いときに強引に穴を開けるために強力なネイルペグを4〜5本持っておきたいです。 500gのハンマー これがあるとないとでは大違いです。テントやタープ付属のハンマーはやめて、500g〜1Kgの鉄製のハンマーにしましょう。ペグ打ちが100倍楽になります(当社比) 万能ばさみ サバイバルナイフも良いのですが、山菜取りにはこちらの方が便利です。 なた 購入した薪が大きすぎる場合などに威力を発揮します。 小型の物を1つ持っていると、サバイバルナイフよりも便利です。 懐中電灯 ドームテント内ではランタンは使用できませんので蛍光灯の懐中電灯を用意します。 また、夜中にちょっとトイレなんて時にも使いますので、時計やサイレン、ラジオなどが付いた懐中電灯を1つ用意した方がよいと思います。 |
キャンプ用品のブランドについて
ここ数年、コールマンは日本市場ではOEM(相手先ブランド)によって、他社製品に自社のステッカーを貼って販売しております。従ってコールマンの製品だからといって必ずしも良いとは限りません。一度、米国にて販売されているコールマン製品をご覧になると何かの参考になると思います。
間違い、ウソ、わかりにくい所など、お気づきの点がございましたら、kiya@asahi.email.ne.jp までE-Mailをいただければと思います。 |